原文
冬三月此謂閉蔵。水氷地圻。無擾乎陽。早臥晩起。必待日光。使志若伏若匿若有私意若己有得。
去寒就温。無泄皮膚使気亟奪。此冬気之応。養蔵之道也。逆之則傷腎。春為痿厥。奉生者少。
訓読
冬三月これを閉蔵と謂う。水氷り地に圻く。陽に擾らわされることなし。早に臥し晩に起き必ず日光を待つ。志をして伏するが若く、匿れるが若く、私意あるが若く、己に得るところあるが若くならしむ。
寒を去り温に就き、皮膚を泄して気を亟奪せしむることなかれ。これ冬気の応、蔵を養うの道なり。これに逆らうときは則ち腎を傷り春痿厥を為す。生を奉くる者少し。
通解
冬になると、草木が枯れ落ち、穀物は蔵の中にしまい込まれ、昆虫や動物は土に潜り冬をしのぎます。
全てが閉じこもる特徴から、冬の時期を漢方の古典「黄帝内経(こうていだいけい)」では「閉蔵」と言い表します。
この「閉蔵」は冬の3ヶ月の期間を指し、全てが閉じられ陽気(エネルギー)を外に出さない季節です。
●黄帝内経による冬の過ごし方
1、日の出と日没に合わせ、夜は早く寝て、朝はゆっくりと起きましょう。
1、冬は積極的に外に向かうようなことはせず、体をいたわり過ごしましょう。
1、体内エネルギーを逃がさないように、身体を冷やさないように温めましょう。
これらが冬の過ごし方に最適であり、気を整え、人が本来持つ力で健康を促すとされています。
また、これらを怠ると寒さに影響されやすい腎臓や膀胱系に影響を与えかねません。
冷えによってトイレの回数が増えたりするのは、冷えのせいだと多くの方が実感したことがあるのではないでしょうか。
漢方では、冬に"腎"への悪影響があると骨や腰にも負担がかかると考えられており、腎の働きが衰えるこの季節には手足、腰、膝、肩などのトラブルが起きやすくなると言われています。
人間の体温は1℃変化するだけで、大幅な免疫力の改善が見込めると言われています。
来たる春に向けて、のんびりゆったり暖かく過ごし身体を休めることが大切です。