コラム

春を快適に過ごすには 〜漢方の古典「黄帝内経」より〜 2022/3/25


 黄帝内経による春の過ごし方
原文

春三月此謂発陳。天地俱生。萬物以栄。夜臥早起。広歩於庭。被髪緩形。以使志生。生而勿殺。予而勿奪。賞而勿罰。此春気之応。養生之道也。逆 之則傷肝。夏為寒変。奉長者少。

訓読

春三月これを発陳ハッチンという。天地ともに生じ万物以てさかゆ。し、ソウき、広く庭にす。ハツこうむり形をゆるめ、以てを生ぜしむ。やしのうてサツすることなかれ。あたえてうばうことなかれ。ショウしてバツすることなかれ。 これ春気の応にしてセイやしのうの道なり。之に逆ろうときは則ち肝を傷り、夏寒変カンベンを為しチョウくる者少し。

通解

 春は冬の間かくれていたすべてのものが、芽を出し活動的になり始める時期です。そこでこの三ヶ月の間を発陳と言います。
この季節には早寝早起きを心がけ、新鮮な空気を呼吸しつつ広く庭内を散歩し、頭髪は結束を解いてパラパラとし、全身の束縛をといて十分ゆったりとゆるめ動きやすくしましょう
 春は動物や植物も陽気に応じて活発に行動する時期です。人間もまた春の陽気に従って適度に行動する事は体にも良く、逆に動かないでじっとしていると、陽気が体の内にこもってしまい病気になる原因を作ってしまいます。

●黄帝内経による春の過ごし方
1、日の出と日没に合わせ、夜は早く寝て、朝は早起きを心がけましょう。
1、心身ともに活動的な気持ちを持ち、適度な運動をして気持ちの良い汗をかきましょう
1、イライラしたり憂鬱になりやすい時期なので、趣味の時間などを持ちストレスを発散させましょう



 「苦味」と「酸味」で春のスタートを元気に

苦味の食べ物

菜の花、ふきのとう、タケノコ、タラの芽、ワラビ、ゼンマイ、こごみ
苦味で意識や身体のスイッチを入れ五臓六腑の働きを活性化させる。

肝気を盛んにする食べ物

春の低温の内はタケノコ、にらニンニクの芽で肝気を過度に盛んにする。

気鬱改善の食べ物

気を巡らせる酸味の強い柑橘類や春菊
ジャスミン茶

のぼせや気のつき上げを改善

セリ、セロリ、春菊、水菜

肝気のバランスをとり、熱邪をさます食べ物

酸味の食べ物(ハッサク、キウイ、苺)トマト

肝気を補う食べ物

ほうれん草、レバー、貝類、肉類、海藻

中年以降の肝気の問題を改善する食べ物

下半身の弱りを招くものについて
根菜類(レンコン、ごぼう、にんじん)、山芋
春は「肝気」の問題がすすみ「胃腸」に影響を生じ気鬱となり、気の巡りの停滞の生じることがある。
肝気の問題が強い人にはカフェインは控えてもらい、ジャガイモ、豆類、生姜、紫蘇など
消化のよいものを食べ胃腸の働きを整える。
また、甘い物、もち米類、180℃以上で、調理した物を控えてもらう。


 春に効くツボ
だるさ改善
合谷

人差し指と親指の骨が交差するところの少し手前、人差し指側


花粉症などの鼻の症状
迎香(げいこう)

目の疲れ
攅竹(さんちく)

太陽(たいよう)

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